ラザロよ、出でよ
Posted 2015-03-08
『ラザロよ、出でよ』は新約聖書のなかの台詞ですが、この彫刻を画廊へ運ぶために作った箱に納めた姿を見て、思わず私の脳裏に浮かんだ言葉も、ラザロよ、です。この鬼をラザロと名付けます。
世間の冠婚葬祭のなかで個展と近いのは葬儀です。イベントが個人名でなされること、作家の今までの生が総括されること、あまり賑やかでないこと、画廊で飲む酒が通夜酒に似ていることも含めて、個展は一つの葬儀だと思います。納棺されるのは作品であって作家ではありませんが、作家は作品と共に葬儀に参列します。
007は二度死ぬ、私は個展で十一回も死にますが、鬼のラザロは何度でも甦ります。