旅のあとさき
Posted 2011-09-02「その頃も旅をしていた」と、はじまるのは開高健の小説です。私も旅をします。旅にでると、アトリエの軟禁生活から解放されて、制作中は見えなかったものが見えてきます。車窓に流れる明るい風景、明滅する見慣れぬ街の灯り、気の遠くなる長い石段、夏の白昼下の戒壇堂の闇。暗闇に目が馴れて見えてくるもの。(ダウンロードしますか?「はい」) 旅にでると、私のアトリエ生活に一つの句読点が打たれて、私自身が改行されるようです。(再起動しますか?「はい」) 旅の経験を言葉にするのは小説家の仕事です。私は再びアトリエにこもり板を彫ります。版画家も一言。駅の酒場で急いで飲む最後の一杯は、旅でしか味わえません。 (仏像ROCK版画システムは更新されました。「Enter」 to be continue)