月と6ペンス
Posted 2012-07-14
サマセット・モーム(中野好夫=訳)。ゴーギャンの伝記をベースとした芸術家小説。平凡な中年男が妻子のある家を捨てて一人の芸術家となる通俗小説、と批評されたモームは、シェイクスピアも通俗劇作家だ、と言ったそうです。純文学だか通俗小説だかは知りませんが、この小説の一つの台詞に「恋も、芸術も、というほど人生は長くできてない」というのがあります。俗物の私としては「それならば長生きしようか」と思います。通貨が違いますから、月と六文銭です。三途の川の渡し賃を用意して、長生きしようと思います。