鬼の研究

Posted 2013-07-20

鬼の研究馬場あき子。著者は序章で「日常という、実りすぎた飽和様式のなかで、眠りこけようとするものを醒ますべく、ふしぎに鬼は訴えやまない」と記す。私はこの文章をこのまま、ロックの帯巻きのコピーとして採用したいと思う。著者の音楽観は存じ上げないが、ごめんなさい、誤読させてください。「反体制、反秩序が基本的な鬼の特質であれば、社会体制の確立しゆくなかで、当然、鬼は滅びざるを得ないものである。しかしなお、鬼的な力の衰滅を本当に信じたくない気持が、人々の間には根強く残る」。これこそがロックです。