維新における福沢の選択

Posted 2011-04-15

藤田省三。著者の生前に編まれた著作集の一章。幕末戦乱の中、唯一つ、福沢の塾だけが書を読み文明を議論していたのは何故か、と始まるわずか7ページの考察。この著者が7ページに結晶させた思想を、わたしが要約できる筈はない。わたしの理解のために写す。『福沢の塾だけが、動乱の中で態々丸腰となり、そのことによって彼の選んだ役割の意味と境界を自他に示しながら、他方、陰惨な状況下に快活な態度で「文明」の未来を展望しつつ、その精神の習得とまたそれの具体化の準備に没頭したのであった。』