エリオット詩集

Posted 2014-05-19

エリオット詩集T. S. Eliot  『The Hollow Men』。今、私の手元にある岩崎宗治訳では「空ろな人間たち」です。今年の冬から春にかけて、私は盧舎那仏の版画を制作しました。この版画の制作中に私のベースになったのは、映画『地獄の黙示録』です。このベースから、コンラッド『闇の奥』を巡り、エリオット詩集に辿り着いて、盧舎那仏の版画制作が終わりました。「仏をつくって魂いれず」という慣用句がありますが、特定の仏教宗派に属していない私は、仏の魂というべき経典に、この詩集を選びました。それは、この詩の最後の四行が、まさしく私の制作意図を言い表していると思ったからです。2011年3月12日夕刻、テレビ中継された福島の望遠動画には爆発音がありませんでした。”Not with a bang ” で始まった世界の終わりは、すすり泣くような夕焼け空でした。詩の原文と訳文を引用して、私は盧舎那仏に魂を入れます。

This is the way the world ends    こんなふうに世界は終わる
This is the way the world ends    こんなふうに世界は終わる
This is the way the world ends    こんなふうに世界は終わる
Not with a bang but a whimper    爆発ではなくすすり泣きで