ブンガクする芸術
Posted 2016-06-07個展開催中の画廊には、牧口智氏の課外活動【Book Room No.009】の本棚があります。
牧口氏の本棚は、あるテーマを持つライブラリーで、誰でも本を借りることができます。個展の裏テーマは「ブンガクする芸術」、そして、本棚のテーマは「ゲージュツしたい文学、ブンガクしたい芸術」です。
僕は、牧口氏の本棚に一冊の本を並べさせてもらいました。
2009年に制作した【手書き和綴じ本・人間失格】です。
表は2009年に作った版画で、中は1996年に書き写した全202ページの400字詰めの原稿用紙です。
この作品の制作の動機は、印刷本を原稿に変換すると、どれくらいの量なのか?また、僕らは印刷本を作品と見ていますが、作家の見る作品は原稿ではないか?
一度やってみようという軽い気持ちでした。
僕は本を書き写すだけで3ヶ月かかりました。なぜ『人間失格』を書き写したか思い出せませんし、特に太宰治が好きではありません。「ひとがいないと、いくさもないべ。ひとのしかくは、なんだべさ?」