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彫刻の影

投稿日 2013-02-02 Tagged As: | Categories: Blog, 版画制作室

彫刻には影ができます。 立体ですから光があたると影ができて当然ですが、版画などの平面作品もつくる私としては、制作途中の彫刻に影ができることに気が付くと、思わず彫る手が止まります。平面作品は絵空事という言葉がある程に、架空・・・・[続きを読む]


土を喰ふ日々

投稿日 2013-01-12 Tagged As: | Categories: Blog, 本棚

水上勉。「九つから禅宗寺院の庫裡でくらして、何を得したかと問われれば、先ず精進料理をおぼえたことだろう」、小説家のわが精進十二ヶ月。私も料理をします。私は禅宗寺院でくらした経験はないので、我流雑食の自炊と制作の十二ヶ月で・・・・[続きを読む]


鬼とロックの相似性について

投稿日 2013-01-05 Tagged As: | Categories: Blog, 欄外余白

鬼とは何であるか? この命題で私が読んで印象に残った本で、近藤善博、馬場あき子、大和岩雄の各著書が手元にあります。私が経験したロックミュージックとその風俗の視点から、現代の鬼の姿を考察してみたい。これが私の近年の制作主題・・・・[続きを読む]


エデンの西

投稿日 2013-01-01 Tagged As: | Categories: Blog, 版画制作室

彼らは、ふりかえり、ほんの今まで自分たち二人の住処の地であった楽園の東あたりをじっと見つめた。 彼らの目からはおのずから涙があふれ落ちた。 しかし、すぐにそれを拭った。 世界が、そうだ、安住の地を求め選ぶべき世界が、今や・・・・[続きを読む]


ストーンズとポルシェの変遷と継続について

投稿日 2012-12-29 Tagged As: | Categories: Blog, 欄外余白

ローリング・ストーンズ50周年の『GRRR!』を通して聴いて、ポルシェ911の変遷を連想しました。 初期は軽量スポーツカーで生産された911が、世界屈指の高級スーパーカーへ発展する。ストーンズの初期はナローポルシェの時代・・・・[続きを読む]


33個めの石

投稿日 2012-12-22 Tagged As: | Categories: Blog, 本棚

森岡正博。2007年アメリカのバージニア工科大学で起きた銃乱射事件の小さな情景を題する哲学者による考察。32人を射殺したあと、乱射した学生は自殺した。大学構内には犠牲者追悼の32個の石が置かれた。いつしか33個めの石が、・・・・[続きを読む]


キス・キス

投稿日 2012-12-15 Tagged As: | Categories: Blog, 本棚

ロアルド・ダール(開高健=訳)。この短編集のなかに『誕生と破局』という題の一編がある。1889年4月20日、オーストリアとドイツの国境の町で一人の男の子が誕生した。父親の三度目の妻は、子供を三度亡くしていた。四度目の赤ち・・・・[続きを読む]


木を植えた男

投稿日 2012-12-08 Tagged As: | Categories: Blog, 本棚

ジャン・ジオノ作、フレデリック・バック絵、(寺岡襄=訳)。私は活字中毒の人間です。夜、枕に頭を落とすとき、本を開かずに寝られません。この絵本は私の枕元に毎晩あります。この絵本を開く夜は、その日が私にとってよい一日と感じら・・・・[続きを読む]


芥川龍之介遺墨

投稿日 2012-12-01 Tagged As: | Categories: Blog, 本棚

芥川龍之介の号は、我鬼。この我鬼の書画をみた横山大観は「俺に身柄をあずけないか、三年間みっちり仕込んで物にしてやるから」と誘ったという。みっちり仕込まれることなく芥川は死んだ。現在、文壇の新人賞である芥川賞は名高いが、も・・・・[続きを読む]


ひとり鬼ごっこ

投稿日 2012-11-23 Tagged As: | Categories: Blog, 版画制作室

私の作品は私ひとりでつくっています。精神的な支えや作る手がかりは沢山あるので、さみしいことはありませんが、実質的につくるのは私ひとりです。いわゆるアートシーンからも遠く離れてひとりで制作している私が気になるのは、過去の私・・・・[続きを読む]